最初にビオトープとは
ビオトープ(独: Biotop)あるいはバイオトープ(英: biotope)は、生物群集の生息空間を示す言葉である。日本語に訳す場合は生物空間(せいぶつくうかん)、生物生息空間(せいぶつせいそくくうかん)とされる。語源はギリシア語からの造語(bio(命) + topos(場所)。転じて、生物が住みやすいように環境を改変することを指すこともある。
引用:Wikipedia
簡単に言うと自然。人工的に自然に近い空間を作り出すということです。たぶん(笑)
自然の川や池、あの美しさを庭やベランダに作れたらすごいと思いませんか?鉢やトロ舟にミニチュアの池を作り眺める。そんな楽しみ方が日本のみならず海外でも人気が出てきています。
そんなビオトープ、中に生き物を入れなくては成立しません。ビオトープで飼える生き物、その中でも一番適した生き物こそ我らがメダカなのです。
滝や橋などお金やスペースがあれば、より素晴らしいビオトープも作ることもできますが、今回はなるべくリーズナブルに。僕が実際に一年間水替えなし、フィルターなしでピカピカのクリアウォーターを維持できた誰でも簡単に作れる最高のビオトープの作り方を説明していきます。
容器
僕がビオトープの容器に使用したのがトロ舟。
トロ舟は本来セメントやコンクリートを練る時に使うプラスチック容器で、ホームセンターなどで売られています。作りはとても丈夫。サイズも様々。メダカの屋外飼育での使用率はとても高く、メダカ愛好家の間では知らない人はいないほどの定番アイテムです。
他にも睡蓮鉢、プランター、発泡スチロールなどビオトープに使用できる容器は様々あります。
置く場所やスペース、自分に合った容器を使ってみてください。
底砂利
僕がビオトープで使用した底砂利は主に、赤玉土と溶岩石。
赤玉土はとても優秀‼本来、園芸用の土ですが、粒が多孔質で、たくさんのバクテリアを住み着かせることができるので水質を安定させる効果があります。
メダカ育成用の赤玉土なども発売されていますが、少し値段が上がります。
今回僕が使用したのは、ホームセンターなどで手に入る園芸用の赤玉土です。
バクテリア⁉と思う方もいるかもしれませんが、バクテリアは簡単に説明すると、水槽内の有害な物質を無害に変えてくれる細菌(生物ろ過)で、水質の維持、ピカピカのクリアウォーターの維持にはバクテリアの働きが必要不可欠なのです。
そんなわけで、何も考えずにとりあえず赤玉土を敷いておけばある程度ピカピカのクリアウォーターを維持できてしまいます。
立ち上げたばかりの水槽にバクテリアはいませんが、メダカのフンなどから出るアンモニアで少しずつバクテリアが増え始めます。そのバクテリアの住処。ろ材(底砂利など)を入れることでバクテリアを保つサイクルがある程度出来上がります。
あとは溶岩石。
見た目通りの多孔質。まさに多孔質の塊のような姿です。溶岩石の役割は赤玉土と変わりませんが、赤玉土は土。いつかは水中で崩れてろ材として機能しなくなりますが、溶岩石はとても丈夫で半永久的にろ材として機能します。
またアクアリウムのレイアウトとしても人気で、ビオトープの中で見た目のアクセントや美しさで活躍します。
水草
水質の維持、ピカピカのクリアウォーターの維持には水草も重要です。浄化能力の高い水草をビオトープに入れて、透明で美しい水を目指しましょう。
ビオトープにおすすめの水草を厳選して紹介します。
ホテイソウ(ホテイアオイ)
ビオトープの水草と言えばこれ!というほど定番で、メダカとの相性も抜群です。
ホテイソウはメダカの産卵床にも最適で、根にはたくさんの卵を産み付けます。
夏の暑い日にはホテイソウの葉で作られる日陰でメダカを守ります。
おすすめ度★★★★★
睡蓮
おすすめランキング№1睡蓮は僕がビオトープを作る時に必ず入れる水草です。ホテイソウと同じように、夏の暑い日に日陰を作りメダカを守ってくれます。
僕が睡蓮を必ず入れる理由それは圧倒的な美しさ。ビオトープの中で睡蓮の花が一凛咲いているだけで最高に美しく、癒してくれます。正直ビオトープの質ががワンランク上がります。
育成もとても簡単で、一年以上ビオトープで睡蓮を育成しましたが、やったことと言えば増えすぎた葉をトリミングして間引いたくらいです。かなりおすすめ‼
おすすめ度★★★★★
カボンバ
カボンバはビオトープ、アクアリウムなどで人気で育成が容易です。
メダカの産卵床にもなりますが、成長速度がとても速いのでトリミングなどの管理が大変になるかもしれません。
おすすめ度★★★★☆
ウォーターコイン(ウォーターマッシュルーム)
見た目の可愛らしさから主に屋外、ビオトープでよく使われています。
日当たりや水温など多少気を使わなければいけませんが、比較的育成は容易で増やすこともできます。
おすすめ度★★★★☆
パールグラス
まさに緑のじゅうたん!アクアリウムやビオトープで人気がありよく使われています。
ビオトープがいっきに明るくなりとても美しいですが、紹介した他の水草に比べて育成面で少しだけ難易度が上がります。
おすすめ度★★★☆☆
購入した水草をそのままビオトープに入れるのはNG‼
水草には農薬が残って付いていることがあり、そのままビオトープに入れてしまうと農薬が水中に溶け出して生体に影響が出ます。
ミナミヌマエビなどのエビは農薬に特に弱く、微量の残留農薬で全滅してしまうこともあります。
購入してきた水草をビオトープに入れる際は、バケツなどに数日入れて農薬を抜くか【水草そのまえに・・・】等を使い農薬を完全に抜いてからビオトープ入れるようにしましょう。
生き物
ビオトープで育成可能な生き物を紹介します。今回はメダカを育成することを前提に、メダカと相性が良い生き物を紹介します。
ミナミヌマエビ
おすすめランキング№1ミナミヌマエビはメダカとの相性が抜群です。雑食でメダカの食べ残した餌やコケなどを食べますが、メダカを襲うことはありません。
星になってしまったメダカを食べます。残酷に聞こえますが星になったメダカをそのままにしているとカビが生え水質悪化の原因になります。
ミナミヌマエビを一緒に入れておくことでその心配もなくなり安心です。まさにビオトープの掃除屋ですね。
繁殖力も凄まじいのでビオトープに10匹ほど入れておけば勝手に増え続けます。
ドジョウ
ドジョウは水槽の底層で暮らす淡水魚でメダカとの相性は良いです。
ミナミヌマエビ同様メダカの食べ残しを食べ、水質の維持に貢献します。めだかを襲うことはありません。見た目NGな人もいるかもしれませんが、ビオトープでメダカと混泳できる生き物の代表格です。
タニシ
タニシは主に苔取り係としてビオトープに入れられますが、水を浄化する能力もあります。
【ろ過摂餌】水をろ過しながら水中のプランクトンを食べる特殊能力があるので、ビオトープに入れておくことで水を浄化してくれます。
メダカと混泳NG生き物
メダカと混泳NG。絶対に一緒に入れてはいけない生き物も紹介しておきます。
金魚
驚く方もいるかもしれませんが絶対NG。雑食で口に入るものなら何でも食べます。
メダカの方がすばしっこいので元気な成魚が食べられることは少ないかもしれませんが、寝ている間や体調を崩している時に襲われてしまいます。
メダカの相棒ミナミヌマエビに至っては、10匹程度なら一晩で食べられてしまいます。金魚の大好物です。
水草も金魚の大好物でおやつ代わりにパクパク食べてしまいます。
ザリガニ
絶対にNG。
メダカは大好物。
水草は切り刻む。食べる。
水を汚す。臭い。はっきり言ってビオトープにはむいていません。
亀
絶対にNG。
メダカは大好物。
かなりでかくなる。
脱走上手。ビオトープには向きません。
管理方法
自然がテーマのビオトープですので、できるだけ手は加えないようにしたいです。
ただ、僕が一年間まったく手を加えていないかと言えばそんなことはなく、美しいビオトープを維持するには、いくつかやることがあります。
給餌
自然がテーマとはいえ餌は与えてあげてください。肝心のメダカが栄養不足でボロボロになっていては美しいビオトープとは言えません。
トリミング
水草のトリミングは必要です。美しいビオトープでは自然と水草も成長し、増えていきます。水草が増えすぎて水面を覆ってしまい、太陽の光がメダカに届かない状態では見た目もメダカにも良くありません。
トリミングと言っても何も難しいことはなく、ただ、増えすぎた睡蓮の葉を切って減らしたり、増殖したホテイソウを間引いたりその程度です。
難しく考えず、邪魔な水草は切って減らしていく。この考えでいきましょう。
足し水
ある程度は自然の雨水でまかなえますが、夏など晴続きで水が蒸発してしまい、どうしてもビオトープの水量が激減してしまうこともあります。
そんな時は、カルキを抜いた水を足してあげます。
エアレーション
エアレーションの役割は、水の循環と酸素供給でメダカは勿論、他の生き物や水草、バクテリアなどすべてにプラスに働くので、入れておきたいです。
エアレーションによって生まれる水流や波はビオトープをより美しく魅せてくれます。
外敵からメダカを守る
メダカを狙う天敵は多いです。
- ヤゴなどの昆虫類
- カラスなどの鳥類
- 猫やアライグマなどの哺乳類
他にもいますが屋外飼育でこの生物達を完璧にシャットアウトするのはほぼ不可能なので、網や柵で被害を減らす対策をしましょう。
この生物達とは別に人間。
メダカ人気とメダカの高騰に伴いメダカ泥棒も増えているそうです。同じ人間として信じられませんが、実際に被害にあわれた方もいます。世の中にはそんな人間もいるということを覚えておきましょう。
まとめ
1.トロ船に赤玉土を敷き詰める。
2.溶岩石などを入れてレイアウト。
3.睡蓮を植木鉢に植えてレイアウト。
4.カルキを抜いた水を投入。
5.ホテイソウを浮かべる。
6.エアレーション投入。
7.メダカ.エビ.タニシなどの生き物を投入。これで完成。
- トロ舟
- 赤玉土
- 溶岩石
- ホテイソウ
- 睡蓮
- ミナミヌマエビ
- ヒメタニシ
上記が実際に今回僕がビオトープに使用したものです。
比較的安価で簡単に手に入るものばかりだと思いますので、是非皆さんも庭やベランダに最高のビオトープを作ってみてください‼